昭和の初めと昭和の終わり

桜の花が満開の北新得地区、その先の新内の宇井農場に恒例のじゃがいも植えのお手伝いに行ってきました。有機栽培農家の宇井農場は、一般的な十勝の大型農業のような大きな機械で何町何十町も栽培できる農家ではありません。必然的にトラクターは小型、手作業も多々です。

そんな小型トラクタが引っ張る4人乗りのイモ植え機に一人ずつが種イモをセットしつつする作業は、他の十勝の農家から見ると、かなりスローペースな農作業に見えるかもしれません。もちろん、皆至って真剣に作業をしているのですけれども・・・。

十勝の大型農家の農作業が平成の農業なら、これは昭和の農業というところなのでしょうか。

しかし、その農作業の隣で、同じく農作業をしていた有機栽培農家のMさんは、さらにこだわりの農家です。

種芋をいっぱい入れた専用の背負子を背負い、一つ一つ畑に撒いて、土を被せていました。軽トラックに積まれたサンテナ(農業用コンテナ)に入っていた種芋を見て思わず

「これでどのくらいかかるの?」
「今日いっぱいかかるかなぁ。」

「上佐幌の古いものを展示しているところあるやろう?あそこにこれより新しいやつ(背負子)あったわ。うちでは現役やでぇ。あれと交換してくれへんもんかなぁ。あはは!」

手撒きによるイモマキ

手撒きによるイモマキ

と、また、いっぱいの種芋を背負ってイモマキを始めるMさん。これは昭和の初めの、いや、もしかしたら、そのもうすこし前の農業風景かもしれません。しかしそれは多分、足の裏に土の感触を誰よりも感じている農家さんでしょうね。

時に、この場所に来ると、今少し忘れかけていたものを思い出させてくれます。

すでに何処の十勝の農家さんも、収穫の秋までの長いようで短い一年が始まっています。
今年は特に、十勝農業が豊作になることを、心からお祈りしています。

counter