散策道予定の旧国鉄根室本線廃線路(ヘルシーロード)、新得駅から約7Km行ったところにある小笹川橋梁(こささがわきょうりょう)は、町内の人でもまず訪れることはありません。
真冬のある日、その脇にある「薬草温泉ホテルかりかち」オーナー自慢のフィンランドサウナに入浴する機会がありました。その時初めて、まじまじとこの橋を見ました。入浴したのが夜だったので、月の光とサウナから漏れる光で見えたその姿は壁そのものでした。
そして後日、十勝晴れの日にその橋を再び見に行きました。
橋の上の方の煉瓦と煉瓦の隙間から天高く木が伸びていました。そんな状態でもう何10年もまともに利用されていないこの橋も、近い将来、人が歩く散策道になり、馬や自転車も渡るようになるようです。
もう列車すら再び走る事のないこの橋の上を、その昔は蒸気機関車が渡っていました。きっとこの橋には蒸気機関車が似合ったんでしょうね。
今は想像するしかありません。
北海道の近代化遺産 近代化遺産総合調査報告書 (平成7年3月 北海道教育委員会) には下記のように書かれてありました。
小笹川橋梁煉瓦アーチ橋
滝川起点131k637m(新得駅から新内寄り約7Km)の地点で、旧根室本線は下新内川を渡る。
この付近は高さ約7mの築堤が続き、狩勝峠に向かう1000分の25の勾配が始るところで、この箇所に煉瓦アーチ橋が建設されている。
高さ7m、アーチ径4.6m、水面よりアーチ基部までの高さ2.6m、奥行き9.15mである。
この断面は国鉄トンネル標準断面とほぼ一致するもので、北海道に現存する鉄道用煉瓦アーチ橋の中では最大級の規模のものである。
また、切石間知積の擁壁(ようへき)が現存しており、原形が非常に良く維持されている。
なお、国土地理院発行25000分の1地形図ではこの橋梁は下新内川に架かっているが新得保線区の橋梁図面の名称は小笹川橋梁となっている。
参考文献
日本国有鉄道北海道総局「北海道鉄道百年史」
北海道庁鉄道部年報 明治34年〜37年度
北海道第一期鉄道工事概況
さらに、2002年8月9日の北海道新聞の道東橋紀行で紹介された記事を読むと、1905年(明治38年)に完成し、1966年南側に線路が付け替えられるまで列車の往来を支えていた道内で現存する数少ない煉瓦アーチ橋の一つと書かれています。
保存活動の活発な道東上士幌町糠平のアーチ橋はコンクリート製ですが、ここのアーチ橋は煉瓦製です。コンクリートに比べ経費が安く済む反面、煉瓦をアーチ形に積むには高度な技術が必要で、また川幅が狭い限定された場所にしか建設できなかったようです。
しかし貴重なアーチ橋といえども橋は渡るためにあるのです。
見上げていないで渡らなくては・・・。